ABCマートのオムニチャネル成功の秘密

ABCマートのオムニチャネル成功の秘密

オムニチャネルというとネットで購入した物をリアルな店舗にて受け取りをしてもらうことにメリットを設けて来店促進に繋げようというような手法だとイメージされる方も多いのではないでしょうか?

 

大手靴販売店「ABCマート」のオムニチャネルは、上記とは少し異なる活用方法をして成功を収めています。

 

同業他社と3倍以上の差!?

ABCマートは国内の靴・履物小売業の中でも、年々業績を上げています。

ABCマート 業績

出典:ABC MART 公式サイト

靴小売業での上場会社は「エービーシー・マート」、「チヨダ」、「ジーフット」の3社あり、国内の店舗数では1位「チヨダ」1,100店、2位「ABCマート」782店、3位「ジーフット」735店と1位の「チヨダ」と2位の「ABCマート」では318店の開きがあるが、売上高では「ABCマート」1880億円、「チヨダ」1,474億円、経常利益ではそれぞれ348億円、110億円と3倍以上の差があります。同業他社との差をつけている要素の一つがオムニチャネルのようです。

 

在庫一元管理により販売機会ロスを抑制

以前からABCマートでは、店舗に顧客が訪れた際、要望する商品のサイズが無かった場合、スタッフが最寄りの店舗に取りに行くなどの対応をおこなっていましたが、2012年11月よりネットの仕組みを利用した靴の取り寄せサービス「iChock(アイチョック)」を展開しました。

iChock(アイチョック)

出典:filgate O2O/オムニチャネル以前から店頭とネットで実践

既に在庫情報が店舗とネットで一元管理されているため、来店した際にサイズや色がない場合は、店頭のスタッフがipadで在庫を調べ、倉庫から直接顧客の自宅に送料無料で配達するというサービスです。

 

通常のオムニチャネルというと、ネットから店舗へという誘導が多いですが、これは店舗がネットを活用するタイプのオムニチャネル施策です。

店舗はこの施策により在庫切れという販売機会ロスを抑制できます。

 

また、このサービスの良いところは、ECを使いつつも購入には店舗のPOSを利用しているので、店舗売上になる点です。

店舗側はもちろん集客も嬉しいですが、店舗の売上に計上されるのでスタップのモチベーション向上にも一役かっているといいます。

 

ショールーミングをビジネスチャンスに!?

web ショールーミング

出典:ECNOTE 時代は実店舗とECサイトの融合へ ABCマートが基幹システムをクラウドサービスAWSに移行

iPadでの在庫管理以外にABCマートが力を入れているのは、Webをショールーミングの場とする取り組みです。

通常、ショールーミングというと、「店舗で買いたい商品を見つける」〜「ネットで商品を検索して、安く購入」というような流れを思い浮かべると思います。

 

しかしABCマートが目指していることは全く逆の流れなのです。

 

靴は商品の特性上、実際に試着をしてみないと購入をしづらいもの。

実際に靴を主な商材として取り扱っているECサイトでは「ネットで商品を購入〜試着後、違和感があれば送料無料で返品・交換可能」としている所もあるくらい「自分は○○cm」と思っていてもメーカーやその靴のデザイン毎にサイズの履き心地が異なりネットで見ただけで判断するのが難しい商材です。

 

そこでABCマートは自社のECサイト上でデザインや値段などを見てもらって、店頭での試着を予約、実際に来店してもらい購入、という流れを作ろうとしています。

 

実際にABCマートのECサイトで購入画面へ遷移すると、「店舗で購入する」という緑色のボタンが出てきます。

 

靴専門の小売だからこその発案ではありますが、アパレルを中心に他の業界でも同様の施策は取り入れられると思います。

 

まとめ

ABCマートのオムニチャネルやO2Oに対する取り組みは、「お客様が本当に欲しいものを買ってもらう」「多くの実店舗数を持っているという強みと、商材の特性を考えて機会損失を逃さない」ということが根底にあると考えられます。

 

店頭での在庫一原管理〜ネットで配送という取り組みは、「欲しい商品が今買えない」という機会を無くすための取り組みであり、ECサイト上での取り組みは「この商品が本当に自分が買って満足できる物か確認したい」という思いを解決しています。

 

商品を買ってくれるお客様が、いかに喜んで・満足してもらえるか?という事を考え、自社の強みや商材の特性を活かしつつ機会を逃さないために「実店舗とECサイトとの融合=オムニチャネル化」している所が成功をおさめている理由なのではないでしょうか?

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