スマホ時代の新しい小売のカタチ『オムニチャネル』入門

スマホ時代の新しい小売のカタチ『オムニチャネル』入門

今回は、昨年からその言葉をよく耳にするようになった『オムニチャネル』について、日本の大手小売りチェーンであるセブン&アイの取り組みに焦点を当てながら書いていきたいと思います。

『オムニチャネル』とは?

『オムニチャネル』(Omni Channel=直訳『全てのチャネル』)とは、全ての顧客接点を連結させ、あらゆる場所で顧客との接点を持とうとする取り組みのことをいいます。

たとえば、ある店舗で商品を購入しようとした場合に、その店舗に欲しい商品の在庫がなければ、ネットや他店舗にある商品の在庫を自宅に送るなどといったことが可能になります。このようにネットとリアル店舗間を繋ぎ、あらゆる場所から同じように商品を購入できるようにすることを実現するのが『オムニチャネル』です。

引用:i95Dev『Drive Holiday Sales with Omni-Channel Retailing』

オムニチャネルの先駆者 Macy’sの取り組み

『オムニチャネル』という言葉は、2011年に米国の老舗百貨店Macy’sが決算発表会で「私たちはオムニチャネル企業を目指す」と発表したことがきっかけで注目されるようになりました。そもそもMacy’sが『オムニチャネル』の取り組みを始めた背景には、現在、日本の実店舗でも問題視されている『ショールーミング』があります。

消費者の購買行動の変化『ショールーミング』

『ショールーミング』とは、リアル店舗では商品を見たり試したりするだけで、購入はより安いネット店舗から行うといった消費者の購買行動の変化を指します。近年、『ショールーミング』化による顧客流出が店舗の課題となっています。

そこで、Macy’sは、『ショールーミング』の課題を解決するために、①店員にモバイル機器を配布してライバル店との比較をその場でできるようにしたり、②ICタグを採用しネットとリアル店舗の在庫の一元管理を行ったり、③リアル店舗でその場にない商品は他店舗から直配したりすることで、自社の販売チャネルからの購買を促進させることに成功しました。

メイシーズ

参考:オムニチャネルの先駆者に学ぶ!米国百貨店メイシーズの戦略

こういったMacy’sの成功事例を受け、日本でも大手企業を中心に『オムニチャネル』という言葉が注目を浴びる様になりました。では実際にどのような企業が『オムニチャネル』を実施しているのでしょうか。

セブン&アイの取り組み

2013年以降、日本ではセブン&アイなどの大手小売りチェーンが、オムニチャネル化のための取り組みを開始しています。

セブン&アイ代表取締役会長の鈴木敏文氏は『オムニチャネル』化を推進することが最優先課題」として宣言しており、サービスの構築に5年間で1,000億円の投資を行うことを発表しています。

セブン&アイでは、過去にも2008年頃からネットやリアル店舗間での相互集客によるシナジー効果を重要視し、2012年7月には、グループ各社の通販サイトを一本化し、グループ全社で扱う300万点の商品すべてをインターネットで購入できるECサイト「セブンネットショッピング」を構築しています。

また、Wi-Fiサービス「セブンスポット」を店舗で提供し、限定コンテンツやお得なサービスで集客につなげています。2014年1月には、紙の雑誌「セブンネット生活」を無料配布。アプリをインストールしたスマートフォンを紙面の商品写真にかざすと「セブンネットショッピング」にある商品販売ページを瞬時に表示することができます。

2013年からは、このセブンネットショッピングを入口サイトとして各社のネット店舗のIDの一元化を進め、「ワンストップ&ワンID」を謡い『オムニチャネル』化への取り組みを進めています。

セブン&アイ・ホールディングス

引用:オムニチャネル戦略を打ち出したセブン&アイ、 はりめぐらされた顧客接点と“ひとつのID”をめぐる戦い

今後の展開=ワンストップ&ワンIDが鍵!?

『オムニチャネル』の本質が、複数チャンネルを一元管理するところにあるとはいえ、セブン&アイのように「ワンストップ&ワンID」まで実現できている企業は中々ないのではないでしょうか。多くの会社が、ネット普及の過渡期につくったネット店舗や、会員ポータルで各サービス毎に顧客IDを管理しており、それらを統合するとなると、システム改修と名寄せの作業に膨大な費用が必要となります。

流通業界全体としては、オムニチャネルという大きい構想の中で上記にあげたようなシステム&データの一元化が中期的に浸透していく中で、その後に本格的な『オムニチャネル』化が進むのではないかと考えています。

?逆にシステム統合や名寄せのコストが必要とならない企業は『オムニチャネル』化を、積極的に推進していくことがこれからの時代、チャンスになるのではないでしょうか。

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